一番になりたいと願わなかったからいけないんだ、背伸びをしなくなったからいけないんだとあのとき言っていたけど、結局その後も一番になりたいと願うことはなかった。誰かの一番になりたいと願ったことはあるけどね。
何かの分野で一番になりたいと願うことがなければ、一番になることはもちろん、得るものは少ない。一番になるつもりで何かをしなければ、二番にもなれやしない。でも誰かに言われて一番になろうとするものでもないから。
自発的な感情はとにかく難しくて、ずっと自分を傷つけるくせに、前向きにしてくれることが少なくて、ずいぶんと遠回りしてしまった。前向きになれることならなりたいと思っていたけど、なかなかそうはなれなかった。それはノウハウがなかったのだろうか。結論から言えばビジョンがなかったからだけれど、ビジョンを持つためにはノウハウなんだろうか。
脳内に住む僕が君が誰かがささやく。それでいいの、それがいいの、それでどうするの。それに応える、答える、堪える。妄想は主観性の産物であるけれど、ひとりで得られる客観性。
そいつらが言うんだ、僕の方向性を。
見ててくれ。見てくれないなら見せてやる。
あなたに。
そうして僕はひとりぼっち。